GNU Radio/USRPとは †GNU Radioは、米国のEric Blossomが始めたオープンソースのソフトウェア無線ライブラリである。 USRP (Universal Software Radio Periferal)は米国のEttusが開発したソフトウェア無線用のフロントエンドのハードウェアである。 GNU RadioとUSRPは、電波送受信装置のプロトタイピング、電波を扱う研究、無線通信の教育の3つに適しているツールである。 GNU Radioはソフトウェア無線技術に分類される。 GNU Radioが既存のソフトウェア無線技術と大きく異なる点が1点存在する。 既存のソフトウェア無線技術の多くが専用ハードウェア上のFPGAで動作するのに対し、GNU Radioではパーソナルコンピュータ上で動作する Pythonで無線の物理層の処理を行う点である。 Pythonはスクリプト言語に分類される。 一般的に、スクリプト言語は柔軟性が高いものの処理の遅い言語である。 電波の処理を行うデジタル信号処理は重い処理である。 GNU Radioはコンパイラ言語である C++で提供されるライブラリとスクリプト言語である Python を巧妙に連携させることでスクリプト言語の持つ簡便性、柔軟性を最大限に生か しつつもパーソナルコンピュータの性能を活かすことに成功している。 USRPは、さまざまなバージョンが存在する。 静岡大学の猿渡研究室で利用しているのはUSRP N(Network)シリーズであるUSRP-N200である。 www.sdlabo.orgでもUSRP-N200をメインとして扱う。 ギガビットイーサネットでPCと接続して、ドータボードを変更することで搬送波の周波数を変えることができる。 昔のUSRP2とほぼ同じスペックである。 USRP-N200以外にも、PCとのインタフェースをUSBにしたEシリーズ(昔のUSRP1に近い)、1ボード化されてUSBからの電力だけで動作できるBシリーズ、ハイエンド向けのXシリーズと、多様なラインアップをそろえている。 最近ではUSRPを開発していたEttus社がNational Instrumentsに買収され、LabVIEWから扱えるようになっている。 参考文献 † |